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物の本当の価値は分かりやすさで決まる?

 芸能人の格付けチェックを見ていました。

 この番組は、裕福な暮らしをしている芸能人ならば分かるはずの(?)2択の問題に答えていくものです。2択のうち片方は高級品で、片方は安物になっていて、高級な方を当てるというものです。たとえば、年代物の高給ワインと1000円くらいのワインを比べたり、ストラディバリウスの演奏と普通のバイオリンの演奏を聞き比べたりします。

 呼ばれている芸能人は最初に「超一流」に格付けされているのですが、問題を間違えるたびに「普通芸能人」「二流芸能人」「三流芸能人」「そっくりさん」「映す価値無し」とだんだん格が低くなっていきます。また、最初は高級なイスに座っていたのに、そのうち普通なイスになったり、イスが木箱になったり、ござになったりと待遇も変わっていきます。

 芸能人が問題を間違えていくのを見て、最初のうちは「さすがの芸能人でもこの類の問題を間違えるもんなんだな」なんて思ったりするのですが、だんだん発想が変わって「高級品も実は大したことがないんじゃないか」と思うようになってしまいました。

 味を当てるものなどは視聴者には分かりませんが、問題によって視聴者も判断できるようなものもあります。そのような問題でも、実はどちらが優れているのかよく分からないものが多いのです。単に私には区別がつかないと言うわけではなく、芸能人も外しています。ひょっとするとヤラセなのかと思うところもありますが、高級なものと安物の区別がつかないようでは、そもそも何のために高い金額を払うのかが分かりません。

 話は少し変わりますが、最近私は「人に理解されるかどうか」が結構重要な要素になると考えるようになってきました。そのように考えるきっかけになったのはソフトウェアです。

 店で売られているソフトウェアは、実は無料のソフトウェアを使用することで代用が可能な場合が結構多いのです。たとえばインターネットへのアクセスを高速化するソフトウェアとか、不要なファイルを削除するソフトウェアの一部は、無料のソフトウェアと同程度の機能しか持たないぼったくりだという意見をたまに見かけます。このような意見も嘘とも言い切れません。恐らく、インターネット上から探してダウンロードしてくれば無料のソフトウェアでも十分な機能を持っているものが見つかることは多いでしょう。

 しかし、多くのパソコン利用者にとって、店から買ってくれば入手できることや操作の分かりやすさが、有料のソフトウェアの大きな利点になっているのではないかと思うのです。これは、どんなに高機能であっても使い方が分からなければ使えないことを考えると納得がいくかと思います。

 言葉も「人に理解されること」が重要だと思います。そもそも、何かを話したり文章を書いたりするのは、自分が考えている意思をちゃんと伝えるためです。つまり、重要なのはこれまでの例と同じように「分かりやすさ」です。それに比べれば、どういう風に技巧的な表現を使うとか、どのような言葉遣いをするかということは、本来の目的とは外れていることであって、大して重要ではありません。

 漢字を使うか平仮名を使うかという判断も、文章が読みやすくなるかそうでないかを基準に考えるべきです。難解な漢字を使うことで理解してもらえる人が少なくなっては意味がありません。若者が活字離れをしているとか、もっと漢字を正しく使えるように漢字の教育を充実させるべきだなんて声を聞きますが、重要なのはそこではないと思うのです。むしろ、理解される文章を書くにはどうすればいいかを重点的に学習させるべきです。また、難解な漢字や分かりにくい表現を使うことで、破綻している論理をごまかそうとすることを警戒すべきです。

 高級なワイン、高機能なソフトウェア、高尚な表現……。実際の価値がどんなに優れていても、価値のあることを理解されなかったら何の意味もないと思います。就職活動のときはコミュニケーション能力が重要だとよく言われたものですが、これも、物事の分かりやすさが重要だといっているメッセージのひとつなのでしょう。

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