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10年来の皮膚の病気と科学アレルギー

 10年くらい前、肩の辺りに変なアザがあるのを発見したものの、痛くもかゆくもないので気にもせずに放っておきました。それから変なアザはゆっくりと確実に広がっていきました。海外でシャワーを浴びたこともあったのですが、そのときも何ともありませんでした。しかし最近、アザを発見してから10年くらい経って、ついにかゆみや痛みが出てきてしまいました。

 皮膚の病気と言ったらアトピーくらいしか思いつかなかったので、とりあえずインターネットでアトピーについて調べてみました。そして出てくるのはアトピー治療に使われる塗り薬であるステロイドの恐ろしさについてあれやこれや書かれているページです。ステロイドをやめたときのリバウンドがどうとか、医療に対する不信感を訴えるページがわんさか出てきます。

 ステロイドはアトピーの薬ですが、アトピーを治すものではなく一時的に症状を抑える効果しかないそうです。しかもアトピーを治す薬はないのだとか……。そのため病気はだんだん悪化し、ステロイドもより効果の強いものを使うようになり、副作用に悩まされる闘病生活をするようになるのだとか……。下手をすると、病院に行くことでアトピーを悪化させる恐れすらあるような書き方でした。

 そのため、どうにか自分で回復できないかと色々とやっていたのですが、日によっては微熱まで出るようになっていきました。

 このままではまずいので、もうちょっと深く書かれている情報がほしくなり、本屋に行ってアトピーの本を買って読んできました。「アトピー性皮膚炎―正しい治療がわかる本」です。これを読んだ結果、インターネットで得た情報が間違いだらけだと言うことが分かったのです。誰が発信したのかよく分からないインターネット上の情報を読むよりも、やはり本で調べる方が遙かに信頼できます。

 たとえば、よほど変な使い方をしなければ(医師の指示に従っていれば)ステロイドの副作用はまず出ないそうです。皮膚がぼろぼろの時は体に塗ったステロイドは吸収されやすいものの、傷がふさがれば吸収されにくくなります。ステロイドをやめて病気が悪化するのは、ステロイドをやめたときのリバウンドではなく普通に病気が悪化しているだけだとか……。

 ここでは詳しく書きませんが、買ってきた本には、アトピーを治療するための秘訣について詳しく書かれていました。アトピーの再発を完全に防ぐことはなかなか厳しいようですが、日常の生活に支障がない程度には回復するそうです。

 インターネットの情報では、よほどの名医の診察を受けて得体の知れない漢方薬を処方してもらって、洗剤を全くさわらないなどの神経過敏な生活をしないと直らないような印象を受けてしまいました。しかし、どうやら普通に医者の診断でも直りそうだと安心できたので、病院に行ってきました。

 ここまで書いて難なのですが、医者の診断を受けてみたところ、どうやら私はアトピーではなかったようです。病名は「色素性痒疹」でした。ダイエットしている若い女性に多く発症する病気らしいです。私はやせ気味ではあるものの女性ではありませんしダイエットもしていないのですが……。

 何にしろこの病気には特効薬があって、それを飲んでいれば直るとか……。はっきり言って拍子抜けしました。

 そしてインターネットの嘘情報に対して怒りを覚えました。いい加減な医者も多かれ少なかれいるかもしれませんが、基本的には医者による治療は、研究に研究を重ねて出てきた結論なのだということを、身をもって知ることになりました。素人が思いついた適当な治療方が、医学の治療よりも適切になることなどまずないのです。

 短期間とはいえ、科学や技術にアレルギーを持っている人のでたらめな知識を信じてしまったのは馬鹿だったと反省しています。

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